
ビジネスパーソンとして、日々会社の数字に関わっている方も多いでしょう。では、家計のほうはどうでしょうか?もしかしたら家のお金のことはパートナーに任せている、という方もいるかもしれませんね。本屋さんに行くと、たくさんの家計簿が売られています。それを見るたびに「家のお金の管理、ちゃんとやらなきゃ」と思われる方もいるでしょう。これから家計簿を本格的につけていきたい、という方におすすめなのがデジタルで管理する方法です。筆者は10年以上、デジタルで家計簿をつけています。その中で感じたメリット、
を解説します。家計簿のデジタル化のメリット
手間が減る
紙の家計簿に比べて、圧倒的に手間が減ります。筆者が利用している家計簿アプリは、銀行やクレジットカードのデータを同期できるため、いちいち手入力をする必要がありません。同期したデータに、項目(食費や家賃など)を登録するだけです。電子マネーやクレジットカードで支払った分の領収書を財布にとっておく必要がないため、紛失も防げます(筆者はよくモノをなくすため、これが一番のポイントだったりします)。領収書を見ながら紙の家計簿に手書きする方法に比べると違いは明らかです。筆者は日々の収支を常に同期しているため、
ことが気に入っています。ミスが減る
仕事でも同じですが、人の手が入れば入るほどミスが起きやすくなります。領収書をなくしてしまうリスクの他、家計簿に記入するときや集計時に間違えてしまう可能性もあります。一方、デジタルであれば、データを同期することが前提であるため日付、
し、集計も正確です。この安心感は何にも代えられません。検証がしやすい
そもそも家計簿をつける目的はなんでしょうか。手間がかかることを理由に「家計簿をつけた」だけで満足してしまう方もいるのではないでしょうか。家計簿の真の目的は、「比較検証」です。自分(家族)が望むようなお金の使い方をできているか、検証するためにつけるものです。したがって、数字を作って終わりではなく過去との比較や、今後の見通しなどの検証ができなければ意味がありません。
手書きの家計簿のデメリットは、数字を集計しづらい点です。一方、デジタルであれば
にできます。家計簿のデジタル化の始め方
家計簿アプリの選び方
家計簿のデジタル化は、Excelなど表計算ソフトだけでもできますが、筆者がおすすめしたいのは家計簿アプリの利用です。
家計簿アプリとは、スマートフォンやタブレット、パソコンで使える家計管理のためのアプリケーションです。収入や支出、貯金の記録・分析をデジタル上で行うことができます。家計簿アプリのポイントとなるのが、「銀行口座やクレジットカードデータの連携」です。インターネットバンキングに申し込んでいる銀行口座であれば、家計簿アプリに連携することができます。例えば、銀行口座から家賃の引き落としがあれば、そのデータが日付、金額、内容とともにアプリに表示されます。それを見て、項目(「家賃」など)を指定すればそれで記録は終わりです。
家計簿アプリはシンプルなものから本格的なものまで様々なものがあります。無料で利用できるものもあるため、
と良いでしょう。家計簿のデジタル化のコツ
家計簿アプリを活用するには、いくつかコツがあります。以下の点に
するようにしましょう。キャッシュレスを進める
先ほども書いたとおり、家計簿アプリの一番のメリットは、銀行口座やクレジットカードの連携です。したがって、現金取引が多い場合には家計簿アプリを使う意味があまりありません(現金で支払ったものについて、領収書をスキャンして登録する方法はありますが、量が多いと大変です)。したがって、家計簿アプリを使うためには、日々の取引のキャッシュレスを進めることが大前提です。
筆者の場合、日常生活ではほぼ現金を使う場面をなくしています。普段の買い物は電子マネーかクレジットカードです。家計簿アプリは、連携する銀行口座やクレジットカードを選べるのも特徴です。筆者は個人事業主なので、電子マネーとクレジットカードは事業用とプライベート用に分けています。こうすることで、
ため、効率的に家計簿を作ることができます。最初から完璧を目指さない
家計簿については、完璧を目指しがちです。しかし、最初から完璧を目指すと、実残高と合わないなどのトラブルが発生したときに、その検証をすることに時間を使ってしまいがちです。
先ほども書いたように、家計簿をつける一番の目的は自分(家族)が望むようなお金の使い方をできているか、検証することです。その目的のために、数百円、数千円程度の誤差は気にしないようにしましょう。筆者も細かい誤差は気にせず、ある程度実残高と合っていれば、
ようにしています。定期的にデータを登録する
家計簿アプリによっては、連携したデータから推測して自動的に項目を設定してくれるものもあります。ただ、それで完璧な家計簿ができるわけではなく、データはどんどん蓄積されていきます。溜まってしまうと、処理が大変ですし、記憶も薄れてしまいます。そこで、
をおすすめします。筆者の場合は、毎朝、事業の数字とともに家計の数字も記録することにしています。いざやろうとすると大変なので、「毎日」「毎週◯曜日」などと、あらかじめ記録する日時を決めてしまうと楽です。
Excelと組み合わせる
家計簿アプリはデータを分類、集計するには非常に優れたものですが、比較検証はどうしてもカスタマイズがしづらいです。筆者がおすすめしたいのがExcelとの組み合わせ技です。
家計簿のデータはExcelにダウンロードすることができるので、それらのデータをもとにピボットテーブルやグラフに加工して検証しやすくしています。こうすることで、前月、1年前、5年前、10年前との比較も簡単に行うことができます。家計が長い期間を経てどのように変化していったのかを
です。フローだけでなくストックのバランスも見る
家計簿をつけている人が陥りがちなのが、「毎月の収支」(フロー)だけを見て終わり、となるケースです。会社と同じように、家計もフローだけでなくストック(純資産)の動きも見ることが大事です。
ストック(純資産)とは、簡単に言えば今ある資産(銀行口座の残高、有価証券などの金融資産、持ち家がある場合には自宅の時価など)から負債(住宅ローンなど)を差し引いた残高です。これらも、家計簿アプリに銀行口座等を連携すれば把握しやすくなります。
フローだけでなくストックも見ることで、全資産の「バランス」を見ることができます。例えば、純資産が豊富だとしても、その内容が「銀行口座に預け入れている日本円」だけだったらどうでしょうか。これは、「全資産を日本円という一つの資産クラスに投資している」状態です。昨今は世界情勢が不安定ということもあり、円の価値が急激に下がる可能性も否定できません。「卵を一つのかごに盛るな」は投資の世界によく使われる言葉ですが、資産を一つのクラス(この場合だと、日本円)に集中させず、分散投資を心がけることが基本です。そのためにも、定期的にストックのバランスを見ることが大切です。
資産のバランスは、リスクの高さや流動性、地域性などを考えて組み合わせるのが良いでしょう。筆者の場合は、安全資産である銀行口座の他に、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)などの比較的リスクが低めの金融商品や、海外の投資信託や暗号資産などのリスクが高めのものも組み合わせています。こういった金融商品も、
ものもあります。
お金の使い方や資産の状態は、その人の生き方を表します。大事なのは家計簿をつけること自体ではなく、その後の検証と行動です。面倒な記録はデジタルにお任せして、
を模索していきましょう。関連するタグ
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