【デジタル大好き税理士・戸村涼子presentsペーパーレスから始めよう】ChatGPTを利用した新しい英語勉強法

ChatGPTが英語学習に注目されている理由

読者の皆様は、英語に触れる機会は多いでしょうか?書店にはたくさんの英語の勉強本が並んでいます。英会話スクールはいたるところにありますし、現在では無料で学べる動画など、様々な勉強ツールが世の中には溢れています。しかし、このような環境でも英語に対して苦手意識を持っているビジネスパーソンは少なくないように思います。その原因は、日本は英語を使う機会がとても少ないこと、読み書きや文法を重視する教育が行われている点が考えられます。そんな中、英語の勉強法として注目されているのが、生成AIのChatGPTの活用です。

なぜChatGPTが英語学習に有効なのでしょうか。

まず、「いつでも、どこでも学習ができる」点です。特にそれを感じるのがスピーキングの練習です。これまで、スピーキングの練習は英会話スクールで先生と話す以外の機会を持つことは難しい状況でした。しかも、英語が話せたとしてもせいぜい週に何回かの頻度になってしまいます。一方、ChatGPTの会話モードを使えば、いつでも・どこでも英会話の練習ができます。しかも、相手は機械なのでいくらでも付き合ってくれ、疲れ知らずである点が大きいです。もちろんスピーキングだけでなく、長い文章の翻訳や、英作文の添削などもやってくれます。

もうひとつが、ChatGPTを利用した英語学習が「低コスト」である点です。これまで、英語を学ぶためには留学や、英会話スクールに通うなどそれなりの投資が必要でした。しかし、ChatGPTは無料で始めることができます。また、月々3,000円程度課金すれば、十分な練習ができるくらい利用できます。たった数千円で、自分だけの英語コーチを持てる時代なのです。

まずは目標・レベルの確認から

実際の活用法に入る前に、大事なことがあります。それは、「目標を決める」「現在のレベルを確認する」の2点です。英語を学んでいる人は多い印象ですが、しっかりと目標を決め、現在位置を確認している人は少ないように感じます。自分の現在の位置がわからず、「ネイティブレベルに話したい」などの曖昧な目標だとモチベーションも上がりません。

「英語ができるようになる」といっても様々な状態があります。仕事で電話会議ができるレベルが必要なのか、メール中心だから読み書きだけでいいのか、それとも趣味で必要なのか。そして期限があるかどうかも大事です。「半年後に初めての海外出張へ行くから、そのときまでに日常会話くらいはできていたい」などの目標を立てることが有効です。

ちなみに、筆者は

  • 仕事でも趣味(主に海外旅行)でも、実用レベルのリスニング・スピーキング力
  • ビジネス系の洋書を、ChatGPTに手伝ってもらえば原文のまま読めるリーディング力

を、この先半年間の目標にしています。

もうひとつ大切なことが、「現在のレベルの確認」です。それによって、目標に達するまでの期間と毎日の練習量が異なってくるからです。自分の現在の英語の総合スキルを確認する方法は、指標や試験がおすすめです。日本では英検やTOEIC等の試験が有名ですが、私は英語の総合評価を知ることができる「CEFR」(Common European Framework of Reference for Languages: ヨーロッパ言語共通参照枠)という指標を利用しています。自分の現在のレベルが分かれば、目標との差分を埋めていく計画を立てることができます。ただやみくもに勉強することがなくなるので、毎日の練習のモチベーションにつながります。

ChatGPTを使ったおすすめ学習法

ここからは、私が普段からしているChatGPTを使った学習法を紹介します。それぞれの目標に合わせて是非アレンジしてみてください。

英作文添削

日本の英語勉強法は、「インプット過多」と言われています。私は逆に、「アウトプット」から始めるほうが有効と考えています。

その代表例が、「英作文」です。それも、テキストにある例文を書き写すのではなく、自分で文章を作ることがコツです。私は、1日の日記を英語で書いて、それをChatGPTに添削してもらっています。自分に関係する出来事を書くので、「こういう表現があるんだ」と発見につながり、定着も早くなります。

具体的には、「以下の英語を添削して」とChatGPTの質問欄に書いたうえで、今日あった出来事を、英語で書いていきます。その際、わからない単語や文法などは調べずに、とにかく自分の知識だけで書くことがコツです。例えば、「今日私はコーヒー豆を焙煎した」と書きたいときに、「焙煎した」という単語がわからなかったとします。そういうときは、「I 焙煎した coffee beans today.」と書いてしまうのです。人間の先生だったら許されませんが、ChatGPTは親切に「『焙煎した』は英語でroastといいます」と理解してくれたうえで添削してくれます。とにかく、自分で考えたことをなんとか形にするアウトプットが大事です。

シャドーイング

シャドーイングとは、英語をリスニングして、その後を追いかけるように話すことです。英語のイントネーションを学ぶのに非常に効果的と言われています。

これも、テキストやニュース、Podcastなど自分とは遠い英語ではなく、自分で作った英作文を何度も読んでみることをおすすめします。そのほうが、感情移入もできるからです。そこで、私は毎日の日記で書いた英作文を、そのままシャドーイングにも利用しています。ChatGPTに添削してもらった英文を英語の読み上げツールに貼り付け、シャドーイングの練習をしています。スマホの録音機能を使って録音すれば、自分の成長も実感できます。

ロールプレイ

少しハードルは上がりますが、ChatGPTとのロールプレイもスピーキングの練習におすすめです。

例えば、私は早朝に散歩に出かけますが、そのときにChatGPTと会話モードで話す練習をしています。難しい話だと続かないので、天気や今日の予定など、話しやすいテーマにしています。始め方は簡単で、「Hey ChatGPT, let's talk about "テーマ名"」と話しかけるだけです。このときも、完璧を目指さないことがコツです。「言いたいことがあるけれど、英語が出てこない」と思ってすぐやめてしまうのではなく、「How can I say "わからない単語" in English?」と質問したり、それも出てこなかったら日本語で「◯◯って英語でなんていうの?」と聞いてもChatGPTはいくらでも答えてくれるからです。話すスピードが早かったら、「もっとゆっくり」と指示すればゆっくり話してくれます。「とにかく英会話に慣れたい」という人には、ロールプレイは非常におすすめです。

リーディングアシスト

英語のリーディング力を鍛えるにも、ChatGPTはおすすめです。私は、英語の本をKindle(電子書籍)で購入しています。おすすめしたいのがPCやスマートフォンにKindleアプリをダウンロードして利用する方法です。文章を簡単にコピーすることができるからです。

Kindleにも翻訳機能がついていますが、私はChatGPTに英文を貼り付けて質問しています。ただ翻訳するだけでなく、「こういう文脈で書かれている」など、本の内容に関する助言もしてくれます。さらに、語彙や文法でわからない表現があったときに質問までできます。リーディング力だけでなく、英語の総合スキルを身につけることができます。

ChatGPTを使った英語学習の注意点

以上のとおり便利なChatGPTですが、注意点もあります。

まず、ChatGPTだけで英語学習をすべて済ませるのは難しい点です。例えば、文法などは体系的にまとまっているテキストがあったほうが、効率的に学べます。私は、基本的な文法書を1冊だけ準備しています。毎日のアウトプットでわからないことが出てきたときだけ、集中的に学習しています。「知りたいことを知る」学習法であるため、インプットの質が高まります。

また、特にスピーキングに関してですがChatGPTは賢すぎるゆえに、誤りを自動で修正してくれる点も注意です。例えば、発音が間違っていてもそれで伝わってしまいます。これだと緊張感も薄れてしまうため、最終的には人間とやり取りするアウトプットが必要になるでしょう。ChatGPTで量をこなし、実力を測るために海外旅行や仕事で使う、という方法がおすすめです。

最後に、ChatGPTを使った英語学習は「毎日」が基本である点です。言語は使ってこそ意味があるので、毎日が効果的です。スクールのように時間の制限がないメリットを、最大限利用するべきと考えています。

いずれにしてもChatGPTの登場によって英語を効率的に、かつ楽しく学べる環境は整っています。興味のある方は是非始めてみてください。

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