【デジタル大好き税理士・戸村涼子presentsペーパーレスから始めよう】リモートワーク中に集中力が途切れないようにするためには?

筆者は独立して10年以上たちますが、仕事のメインをリモートで行っています。読者の中にも、新型コロナ感染症の流行をきっかけに、リモートワークの選択肢が増えた方も多いのではないでしょうか。

リモートワークを行う際によく聞く悩みが、「リモートワークだと集中力が続かない」といったものです。そこで、筆者が考えるリモートワーク中に集中力が途切れないようにするコツを、本記事で紹介します。

集中タイムに重要な仕事をする

よく、「朝型人間」「夜型人間」といった言葉を聞きますが、人によって、体内リズムが異なるのは普通です。おのずと、集中できる時間も異なってくるはずです。朝型人間の人は夜の仕事ははかどらないでしょうし、夜型人間の人は朝早くの仕事ははかどらないでしょう。したがって、自分が集中できる時間に重要な仕事をすることが集中力を途切れさせないようにするポイントです。

重要な仕事とは、どういったものでしょうか。

アイゼンハワーマトリックス」という有名なマトリクス図があります。仕事を「緊急度」「重要度」の2軸で整理すると、以下の4つに分けられます。

緊急 緊急でない
重要 ①緊急かつ重要 ②重要だが緊急でない
重要でない ③緊急だが重要でない ④緊急でも重要でもない

①の緊急かつ重要は真っ先に取り組むべき仕事です。例えば、トラブル対応ですね。これは集中タイムにすぐに行ったほうが良いでしょう。

ここで落とし穴になるのが、②の重要だが緊急でない仕事ではなく、③緊急だが重要でない仕事を優先させてしまう問題です。例えば、急な依頼や電話などです。緊急だからすぐに取り組むべき、と考えがちです。しかしそもそも重要でないなら、その仕事をなくすことも考えたほうが良いでしょう。急な依頼や電話はやめてもらい、メールで対応する、といった方法が考えられます。③の仕事が少なくなれば、②の重要だが緊急でない(計画的に取り組むべきスキルアップや仕組み化など)に時間を割くことができます。この②の仕事こそ、集中タイムに取り組むべきものと考えています。

筆者のケースを紹介しましょう。

基本的には午前中は「重要だが緊急でない仕事(自分だけでできる仕事)」、午後は「クライアントワーク」と大雑把に決めています。

午前中、朝のルーティーンを終えた10時頃が私の1回目の集中タイムです。この時間は、自分のスキルアップや戦略など、長期的にじっくり取り組む仕事をします。頭が冴え切っている時間は、クリエイティブな思考を巡らすチャンスです。

午後は、お昼を食べ終えて少し集中力が落ちるので、クライアントとの打ち合わせなど、「身体を使う」仕事を入れます。こうすることで、弛緩した身体に刺激を与えることができ、集中力を持続できます。その後は、経理や書類作成など、集中力をそこまで必要としない仕事をメインに行います。このようなちょっとした「雑務」は、集中力が落ちてきたときに気分転換の意味としても有効です。

そして午後4時頃になると、2回目の集中タイムがやってきます。この時間は、1日の終わりが見えてきて気分もすっきりする時間なので、クライアントの商談準備や相談対応など、論理的に考えて答えを出す仕事をします。

遅くとも5時頃には仕事を終え、リラックスタイムに移るためにカフェに移動します。これがスイッチ時間です。

以上、私の例を紹介しましたが、人によって集中タイムは異なります。朝は全く頭が働かない、という人もいるでしょう。リモートワークは、自分で仕事の配分をしやすい環境のはずです。自分の体内リズム、集中タイムに合わせた仕事配分をしていくことが集中力を保つ一番のコツです。リモートワークをしている方は、是非上司とも相談して自分の集中タイムに合わせた働き方を模索してみてください。

環境を整える

コロナ禍のリモートワークにて、問題となったのが「仕事する環境がない」ということでした。日本の家屋はリビングルームを中心とした、個室が少ないタイプが多いです。このような状況の場合には、集中して仕事をする環境を自ら作り出さなければなりません。

一番良いのは、個室を作ることですが、それが難しい場合には、リビングの一角に「仕事コーナー」を作ることがおすすめです。今は、通信販売でも自宅用の簡易パーテーションなどが気軽に購入できます。電話会議など、家族に聞かれて困る状態なども、こういった簡易パーテーションがあるだけでも違います。

もうひとつは、自分だけでできる一工夫です。気が散るものを近くに置かないのは基本です。集中力の一番の敵は、スマートフォンです。仕事の合間につい見てしまいがちです。筆者は、パソコンで仕事をしているときはスマートフォンは視界から外しています。視界に入っているだけで、集中力は下がります。また、テレビやゲームはもちろん、書籍や雑誌、漫画など気になるものは視界からすべて排除しておくことが大事です。

最後に、意外と見落としがちなのが、パソコンやスマートフォンの通知です。音やバイブレーションが鳴る設定にしている方は、集中タイムだけでもオフにしてみてはどうでしょうか。社内の担当者やクライアントからの連絡が気になる方もいるかもしれませんが、その場合でも、今すぐ対応しなければならない案件はそうそうないはずです。あったとしても、余裕ができた時間に対応すれば問題ないことは多いでしょう。通知がないだけでも、相当集中力が違ってくるはずです。是非お試しください。

タスク管理ツールを活用する

最後に活用をおすすめしたいのが、タスク管理ツールです。タスク管理ツールとは、自分が今日するべき仕事を一覧で確認できるツールです。筆者は、Notionというタスク管理ツールを使っていますが、朝一番にその日のタスクを自動的に表示する設定にしています。多くの人もTo Doリストなどを作っていると思いますが、このとき、「優先順位」をつけるのがコツです。Notionでは「タグ」という機能があり、ひとめで優先順位を確認できるようになっています。

優先順位をつけることによって、その日の集中タイムに何をするべきかが決まります。ここをはっきりさせないまま仕事に取り組むと、「今日必ずしたかった仕事」ができないという事態にもなりかねません。したがって、「これだけは終わらせたい」と思う仕事だけは何らかの目印をつけておくことをおすすめします。もし時間が足りなさそうになったら、重要でない仕事を次の日に回すなど調整しましょう。

ちなみにこの方法で仕事を始めると、重要でないメール返信を後回しにすることができます。多くの人は、朝出勤したときにメールのチェックから始めますが、これはあまりおすすめしません。というのも、メールには重要なものとそうでないものが玉石混交だからです。「上からメールを片付けていこう」といざ朝から取り組み、重要でないメールの返信だけで午前中が終わってしまった…ということは避けたいものです。特に、筆者のように「午前中は集中タイム」の方にとっては、非常にもったいない時間の使い方です。

中には、「バタバタしている間に1日が終わってしまった…」という方もいるかもしれません。そういう方は、一度1日のログを取ってみることをおすすめします。タスク管理ツールには、タイマー機能がついているものもあります。もしかしたら、重要でない仕事に1日の大半を使ってしまっているかもしれません。筆者も、どうも時間がとれていない、と思ったときはログをとるようにしています。思ったよりも仕事に時間がかかっていることがわかり、業務効率化のきっかけにもなります。

以上、リモートワーク中に集中力が途切れないようにするコツとして、集中タイムに重要な仕事をする、環境を整える、タスク管理ツールを活用する、の3つを紹介しました。リモートワークは自由度が高い働き方ですが、その反面自律性が求められます。自然と緊張感のある社内と同じ集中力を保つには、工夫が必要です。今回挙げた3つを参考に、是非ご自身で集中力を持続させる状況を作り出してみてください。

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