【デジタル大好き税理士・戸村涼子presentsペーパーレスから始めよう】紙が多い税理士業界。戸村税理士はペーパーレスできてるの?

紙が多いイメージの税理士事務所

こんにちは、デジタル大好き女性税理士の戸村です。今日は、ちょっとくだけたテーマで書こうと思います。

皆さんは、「税理士事務所」と聞くとどういう仕事場を思い浮かべるでしょうか?キャビネットにずらっと並んだファイル、そして職員の机の上に積み重なった書類の山…といったイメージがありませんか。

私は2ヶ所税理士事務所に勤めたことがあるのですが、どちらもそんな環境でした。プリンターまで紙を取りに行くために、他の職員の方が床に置いたファイルを避けて歩かなければならないというカオスな状態でした。

実は、税理士事務所で一番辛かった仕事はシュレッダーに紙を入れる業務でした。大学卒業後初めて勤めた会計事務所で「時間あったら、シュレッダーに溜まった紙をシュレッダーにかけておいて」と言われて「えっ!?」と。

私は小さい頃祖父母(物をとても大切にする世代)と一緒に住んでいたのですが、「お絵描きは広告紙の裏にしてね」と言われていたので、紙をわざわざ買った記憶がありません。そんな貴重なイメージのある紙をこんな大量に粉々にしてしまうなんて…なんとも言えない気持ちで黙ってシュレッダーをかけていたのを覚えています。「子どもには物を大切に、と言うくせに大人はこんなに無駄にしてるのか」「こういう仕事はしたくないな」とずっと心にありました。

戸村涼子税理士事務所のペーパーレス

ここまでで、「戸村税理士はデジタル好きと言っているけど、とはいえ事務所にキャビネットのひとつくらいはあるでしょ」と思われた方もいるかもしれません。

いえ、事務所にキャビネットはありません。ついでにFAX機はもちろん、プリンターも固定電話もありません。机の上にはパソコンとモニターだけ。物が少なくて気持ちいいですよ、本当に。

どうやってペーパーレスを実現しているのかというと、もう話は単純です。

まず、紙を送らない・受け取らない。これを徹底しています。お客様に何らかの情報を共有してもらうときは必ずデータ(紙の場合にはスキャンしてもらう)にして、クラウドに保存してもらっています。もちろんこちらからも紙は一切送りません。

例えば、請求書。紙で送らずクラウド上で共有するようにしています。私はお客様と同じクラウドの会計ソフトを使っているため、クラウド上で共有すればお客様も経理が楽ですし、私も請求書をそのままデータで保存することができます。クレジットカード決済代行会社を通じて請求させていただいているお客様に関しては、毎月同日に自動で請求がされるため請求書発行業務すらありません。

契約も紙ベースで行うと大変なので電子契約をしています。

契約書作成から送付、内容確認、署名、締結の一連の流れをすべてインターネット上で行うことができるため非常にスムーズです。

情報をデータで一元化することによって、物を探す手間もなくなり、ストレスが減りました。

次に、紙を印刷しないことを決めています。というか、プリンターがないので印刷はできません。ただ、税理士業をしていく上では紙ベースの申告書のチェックがどうしても必要となります。これを画面だけで行うのは難しく、紙のようにチェックマークを入れたいとことです。ではどうしているかというと、タブレット+デジタルペンを活用しています。私はAppleのiPad proの一番大きいサイズ(12.9インチ)とApple Pencilを愛用しています。ある程度の画面の大きさがあれば、書類のチェックがしやすいからです。

タブレットは他にもたくさん用途があります。例えば、オンライン会議中にちょっとした図解をしたいときです。お客様とお話をしているときにタブレットでメモアプリを開いて、デジタルペンで図解をして説明する時があります。言葉だけではなかなか伝わらないときに便利です。また、タブレットはPCより軽く、持ち運びしやすいので旅先のデュアルディスプレイ代わりにも利用しています。私は執筆活動もしているので、原稿のチェックにもタブレットは欠かせません。

3つめに、余計なところへ行かないことを徹底しています。余計なところというのは、役所、銀行、郵便局です。いわゆる、「窓口」「行列」があるところですね。ここへ行っていたら、ペーパーレス・効率化は達成できません。

「税理士なんだから、税務署は行く用事あるでしょう?」と思われるかもしれませんが、工夫次第で行かなくてすみます。ほぼすべての申告・申請は電子に対応していますし、いざというときはWebゆうびん(郵便局が行っている、ネット上にアップロードした書類ファイルを印刷して宛先まで送ってくれるサービス)を利用しています。

私はペーパーレスだけでなくキャッシュレス(銀行振込は避け、クレジットカード・電子マネー決済)も徹底しているため、銀行の窓口はもちろん、ATMにも数ヶ月に1度現金がなくなりそうなときにしか行きません。お客様へも納税はすべて電子納税かクレジットカード納税をご案内しています。納付書を送って、混んでいる銀行や郵便局に行ってっもらうのは忍びないので、そうしています。もちろん私にとっても納付書を手書きしなくて済むので効率的です。

このように、私は「やらないこと」を決めて、「ではどうしたらいいか?」を考えてペーパーレスを実行してきた経緯があります。

ペーパーレスの秘訣

このように、私は中途半端にやらずに徹底的にペーパーレスをしてきました。では、その秘訣は何かというと、「モチベーション」です。というよりも、順序が逆でペーパーレス自体を目的としたことはなく、ペーパーレスをする強烈なモチベーションが元々あったんですね。

そのモチベーションとは、「したいことをする時間」です。人生は一度きりなのに、「無駄だな〜」と思うことに時間をかける人生は嫌だと思ったからです。紙をなくさないことには、非効率さは避けられません。必然的に、仕事の時間が長くなり、自分や家族、友人との時間を圧縮しなければなりません。それはどうしても避けたかったのです。

独立して、自分が望むペーパーレス化した仕事のやり方ができるようになってからは無駄だと思う時間が本当に少なくなりました。その空いた時間は、自分への投資や営業活動、そして好きなことをする時間に充てています。

これだけデジタル化が叫ばれる世の中でなかなかペーパーレスが進まない理由は、このモチベーションの欠如にもあるのではないでしょうか。もっと、ペーパーレス化した後の楽しい未来を皆で共有できるようになると良いですね。

あと、「ペーパーレスの効果がいまいちわからない」と言う人も多いと思います。それもそのはず、多くの人はひとつの会社、ひとつの部署に属しているため、その中でのやり方が「当たり前」と思いがちです。そこで、ときには社外に出て他の組織で実現しているペーパーレスの話を聞きにいくなど、今の環境とは違う場所に身を置くのも有効です。私も、独立後に人との関わりが広がり、そこからあらたな発見を得ています。

今日は、「紙の多いイメージがある税理士業界で、そもそも戸村税理士はペーパーレスできてるの!?」というところから始まり、ペーパーレスの秘訣を書いてみました。皆様のペーパーレスへの後押しになったら嬉しいです。

関連するタグ
ペーパーレスから始めよう
関連するワード

インボイス,ペーパーレス