【デジタル大好き税理士・戸村涼子presentsペーパーレスから始めよう】読書は紙派?電子書籍派?

著者は、読書好きな人間です。子どもの頃から、毎日活字に触れていないと気がすまないタイプです。仕事に生かすことはもちろん、自分の楽しみのための読書も重視しています。

そんな私ですが、「読書は紙派ですか?電子書籍派ですか?」といった質問を受けることがあります。世の中には、「紙、電子どちらが良いか?」の論争があるようです。そこで、今回はこの論争について著者の考えを書きたいと思います。

それぞれの環境や目的に合った方法を

早速結論ですが、著者の考えは「それぞれの状況や目的に合った方法」を選べば良い、というあまりひねりのない結論となります。正しい答えはないので、それぞれの人に合ったお好きな読書法を楽しめばよいのでは、という考えです。

まず、人によって日々の読書環境は全く異なるはずです。例えば、出張が多く、自宅にいない時間が多い方であれば便利な電子書籍がメインとなるでしょう。一方、リモートワーク中心で、自宅にいる時間が長い方は紙の書籍を選ぶことも多いでしょう。場所だけでなく、1日にどの程度読書時間を割けられるかも重要です。仕事で忙しく、「スキマ時間を有効活用したい」と思っている方であれば、すぐに読める電子書籍のほうが良いでしょう。一方、仕事だけでなく「哲学や歴史など、人文科学の本をじっくり読みたい」方であれば、紙の書籍のほうが良いでしょう。

このように、今自分が置かれた環境や読書の目的を考えれば、おのずと紙か電子どちらをメインにするか、決められるはずです。

著者の場合

デジタル大好きな著者の場合、「本もすべて電子書籍」と思われそうですが、実は紙派です。本は基本的に紙で購入し、一部「これは電子書籍でもいいかな」というものだけ電子書籍で購入しています。

なぜ紙派なのかというと、著者は自宅兼事務所なので、家で作業することが多いからです。外出が少なければ、本を持ち運ぶ機会もおのずと限られますので、紙の本メインで問題ありません。

もうひとつ理由として大きいのが、本を「仕事や人生のためにインプットするもの」とだけ考えていない点にあります。本をひとつの「作品」として捉えているため、装丁や表紙なども含めて直感的に良いと思ったものを購入することが多いです。紙の手触り感も好きです。電子書籍はそういった感覚をすべて削ぎ落としてしまうのがデメリットと考えています。仕事の目的に合った本をネットショップでさっと買うこともありますが、多くは書店でその場で気になった本を買っています。このような「本との偶然的な出会い」を大切にしていることも、紙の本をメインにする理由のひとつです。

一方、電子書籍も購入しています。例えば、最新のトレンドがわかるビジネス書です。自分の楽しみのための読書を重視していますが、時代の流れに追いつくためのインプットも当然必要と考えています。ただ、そういったはっきりとした目的がある読書であれば、紙の本として手元に置いておきたい願望ははないため電子で良い、という考えです。

また、少し変わった読み方をしているのが小説です。一部の小説は、「Audible」(Amazonが提供するオーディオブックのサブスクサービス)で音声を購入して時間が空たときに聞いています。なぜ小説を音声で購入しているのかというと、ストーリーが頭に入ってきやすいからです。最近は、昔読んだ村上春樹の小説を音声でひととおり聞いて楽しみました。目で追う視覚情報と比べて、耳から入ってくる聴覚情報は、情景をイメージしやすい感覚があります。実際、文字を追っていくのがしんどい小説でも耳に入ってくるとスムーズに理解が進みました。この方法でいけば、見るからに分厚くて読むハードルが高い小説にも挑戦できそうですよね。音声であればスピードも調整できるので、目で追うよりも時間を短縮することができます。特に、時間のないビジネスマンにおすすめの「聞く」読書法です。

紙、電子書籍のメリットを生かした読書法

紙、電子書籍それぞれにメリットがあります。特徴を生かしたおすすめの読書法を紹介します。なお、私は近年流行りの「速読」はしていません。本は自分に合ったペースで読めば良いという考えです。

まず、紙の本ですが、その一番のメリットは手触りや表紙、装丁などの視覚的な楽しみです。したがって、紙の本はネットショップでさっと買うのではなく、本屋さんでじっくり選ぶことをおすすめします。紙の本こそ、普段読まないジャンルに挑戦する良い機会と考えています。

もうひとつ紙の本の大きなメリットは集中しやすい点です。インターネットにつながっているスマホやタブレットなどで電子書籍を読む場合、どうしても他のこと(SNSやネットサーフィンなど)で気が散りますが、紙の本の場合はどこにもつながっていない安心感があります。こういった理由からも、紙の本はさっと読める内容ではなく、じっくり読むタイプの本がおすすめです。

もうひとつ紙の本のメリットとして見逃せないのが、前のページや先のページに指でパラパラ移動しやすい点です。これによって、電子書籍ではしにくい全体の流れを把握しやすくなります。

著者が自宅で紙の本を読むときは、「ブックスタンド」という本を立てかける台を利用することが多いです。これによって、本を読みながらも両手が自由になるため、気になった箇所があった場合にはノートにメモをとることが可能になります。読むスピードは落ちますが、紙の本のメリットである「じっくり読む」ことを最大限生かす読書法です。

次に、電子書籍のメリットを生かした読書法を考えます。電子書籍の一番のメリットは、場所をとらないことです。何百冊、何千冊でもひとつのデバイスで収まってしまうのは紙の本と比較して大きなメリットでしょう。したがって、通勤や通学、出張など外出機会が多い方は電子書籍をメインに購入し、電車内などでいつでもどこでも読める状態にしておくことが有効でしょう。著者も、出張や旅行など長期外出する場合には、文庫本を1冊と、電子書籍を何冊かダウンロードしておいて外出先でスマホなどで読むことが多いです。

もうひとつ見逃せない電子書籍のメリットが、「買ってすぐに読める」点です。例えば、仕事などで「どうしてもこの情報を今すぐ勉強したい」というときに電子書籍はおすすめです。夜中でも早朝でも、いつでも手に入ります。著者も、急な相談が入り、かつ今までにない分野で「いますぐ基本的な知識を身につけたい」ときは、迷わず電子書籍を購入します。

検索しやすい・メモをとりやすい」ことも、紙の本にない電子書籍のメリットです。例えば、「この単語、この本のどこかで説明されていたな」と思ったときに電子書籍であれば検索機能を使って素早く検索できます。こういう点からも、ノウハウ・知識を得るための読書は電子書籍がおすすめです。また、ハイライトやメモをとりやすいのも電子書籍の魅力です。紙の本でもマーカーを引いたり付箋でメモをつけるのは可能ですが、物理的なものなので元の状態に戻せず、少し抵抗感があります。一方、電子書籍は標準でマーカーや付箋メモ機能がついており、追加・削除も簡単にできるため、気軽にできます。さらに、他の読者の方がどこをマーカーしたかもわかるため、自分との違いを探ってみるのも面白いでしょう。

著者は、電子書籍のこのメリットを生かして、Notionというメモツールと連携して自分用の読書管理をしています。参考となった文章をハイライトし、リアルタイムでNotionに共有しています。共有されたデータは書籍名、著者名、ハイライトした文章に加えて自分のコメントも残せます。読みっぱなしではなく「自分なりの疑問に思ったこと」「自分なりに学んだこと」を言語化し、整理できることが魅力です。紙の本でもメモはしていますが、電子書籍のほうが別システムとの連携ができますのでよりメモを管理しやすくなります。自分だけの読書管理を効率的にしたい方は、電子書籍をメインにすると良いでしょう。

このように、紙か電子書籍、どちらがいい!とは一概には言えなくて、それぞれメリットがありますので使い分けることが有効です。いずれの方法にしても、読書はインプットだけではなく「楽しみ」のためにすることと考えています。「自分はどちらの方法のほうが楽しめるか」を基準にしてみるのもおすすめです。

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