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2025年1月現在、AIの進化が続いています。「AIを使いこなすには」「AIに負けないためには」といった情報があふれる中、不安になる方も多いでしょう。著者は、AI活用に関するセミナーを多数していますが、いつも感じることがあります。それは、「
」ということです。今回は、3つの基本スキルを紹介します。
①基本的なITスキル
まずは、基本的なITスキルです。いわば、AIを使いこなす土台となるスキルですので、ここは外せません。とはいえ、「基本的なITスキルがなにかわからない」という方もいるかもしれません。そこで、著者が思う、
を具体的に紹介します。IT選びの知識
皆さんは、普段使うIT機器を自分で選んでいますか?会社で指定されて自分で選べない方も多いと思いますが、自分で使うIT機器は自分で選ぶのがITスキルを上げるコツです。例えば、パソコン選びです。頭脳にあたるCPUは処理速度や性能を決める重要な要素です。チップメーカーとしてIntel、AMDなどがありますが、自分の用途にはどの程度のスペックが必要なのか考えることで勉強になります。他にも、ストレージやメモリ容量、接続できるケーブルの種類も、確認しなければなりません。性能だけでなく、サイズや重さ、キーボードの打ちやすさなど、
。このような経験を通じて、IT全般の知識の底上げをすることができます。タイピングスキル
キーボードを見ずに指の感覚だけでタイピングをする「タッチタイピング」も重要な基本スキルです。以前から重視されているものではありますが、意外なまでにできていない人が多いです(著者調べ)。カフェで仕事をしている方をちらっと見ると、キーボードを見ながらパチパチと音を鳴らしながら作業している人が多いです。
私は、今後タッチタイピングがより重要なスキルになると考えています。なぜなら、AIに指示する方法は基本的には「入力された文章」だからです。タイピングが遅いと、AIに指示をするスピードも遅くなります。これは、来るAI時代においては非常に不利な状況です。もちろん、音声で指示することも可能ですが、
です。タッチタイピングの練習はいつからでも始められますし、遅すぎることはありません。ホームポジション(指を常に置く基本の位置)を意識し、最小限の範囲で指を動かす練習を毎日すれば、マスターできます。練習用のソフトもたくさん出回っていますので、それらをうまく活用してマスターしましょう。
ショートカットキー
タッチタイピングと並び、ショートカットキー(特定の機能を素早く実行するために使うキーボードの組み合わせ)も大切なスキルです。知っているだけで作業効率が断然違います。
「覚えたいけど、覚えられない…」という方は、よく使う操作を少しずつ覚えていく方法をおすすめします。少なくとも、普段から使うコピー(WindowsではCtrl + C、MacではCommand + C)や貼り付け(WindowsではCtrl + V、MacではCommand + V)、元に戻す(WindowsではCtrl + Z、MacではCommand + Z)、保存(WindowsではCtrl + S、MacではCommand + S)くらいは今すぐにでも覚えておきたいものです。
「マウスをなるべく使わない」方法もおすすめです。ショートカットキーを嫌でも使わざるを得ないからです。著者は、普段AppleのMacBook Airを使っていますが、マウスは使っておらず、すべてキーボードかトラックパッド(マウスの代わりに指で操作できるタッチ式の入力デバイス)で作業しています。よく使う単語(会社の住所や電話番号、定型文など)はOSに標準に備わっている単語辞書ツール(Microsoft IMEなど)や、スニペットツール(特定の単語や文章、を素早く挿入できるツール)を活用することで
Office系ソフト
会社で利用することの多い、Office系ソフト(Excel、Powerpointなど)の基本スキルもAI活用前に学んだほうが良いでしょう。
著者は職業柄Excelを使う場合が多いです。多くのビジネスパーソンが避けられないソフトでもあるでしょう。ただ、著者が見る限りExcelの基本的なスキルを身に着けている人は少ない印象です。
その一番の原因は、データの作り方の知識不足にあると考えています。データは、正規化された状態(データベースと呼びます)でないと集計も加工もできません。詳しい説明はここではしませんが、データベースの一行目はタイトルで、その項目(ID、氏名、住所、生年月日等)によって入力できる形式(数値、文字列、日付等)をきちんと制御しておかなければなりません。よくあるケースは、全角や半角が混じっている、途中で空白行がある、などの理由でデータベースの体をしていない状態です。紙に印刷することを前提とした、「紙Excel」も、もちろんデータベースではありません。データが整って初めて、ピボットテーブルやピボットグラフなど、「伝えたい情報」が編集できます。したがって、Excelを使う上では
です。ビジネスパーソンがプレゼンに利用することの多いPowerpointも、基本的なスキルを身につけることが大事です。アニメーションや凝った図解などは必要ありません。例えば、「1スライド1メッセージ」は、見やすい資料の基本ですが、色々詰め込まれてしまっているケールも多いです。体裁を一括して整える「スライドマスター」などの基本スキルも必須です。
最近は、「Microsoft Copilot for Excel、Powerpoint」などOfficeソフトに標準に備わっているAIアシスタント機能もあるので、上手く活用して基本スキルを底上げしていくことが大切です。
②基本的なプログラミングスキル
AIを使いこなす前に、基本的なプログラミングスキルを身につけることも大事です。
「プログラミングなんて、エンジニアでもないのに…」と思われるかもしれません。確かに、細かいコードの書き方のルールなどは、今は生成AIにいくらでも書いてもらえるので、がっつり学ぶ必要はありません。しかし、プログラミング「的」な思考は、来たるAI時代に最も必要とされるものです。なぜなら、AIに指示するときに、
基本的なプログラミングスキルとして、著者が最もおすすめしたいのが、Excel VBAです。なぜなら、Excelは多くのビジネスパーソンが利用するものであり、すぐに効果を感じてもらえるものだからです。ここでのポイントは、「すごく小さなルーチン作業」をVBAを使って効率化してみる経験です。達成感も出ますし、小さなプログラムでも変数やメソッドなど、他の言語にも応用できる基本的な知識を身につけられます。慣れてきたら繰り返し処理、条件分岐なども挑戦すると良いでしょう。これらのスキルはAIへの指示出しだけでなく、RPA(Robotic Process Automation)やノーコードツールを利用する際にも有効です。
③基本的なコミュニケーションスキル
3つ目は、基本的なコミュニケーションスキルです。人間とだけでなく、AIとのコミュニケーションもとても重要になってくるからです。
まずは、ロジカルなコミュニケーションスキルです。人間と同じように、ChatGPTなどの生成AIも、論理的な指示でないと思った通りの答えは返ってきません(人間の場合は部下が「察する」ことでなんとか成り立っている場合も多いですが…)。既に多くのプロンプト(指示)に関する本が出ていますが、生成AIに指示を出すときは自分がしてもらいことを明確伝えることはもちろん、その背景や出力方法なども細かく指示することが大切です。一度で終わらせず、フィードバックを繰り返しながら
も求められます。これらは、普段接する人間とのコミュニケーションでも求められるスキルです。特にコロナ以降、テキストコミュニケーションが主流になったので、ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)に頼れなくなりました。相手がAIであれ、人間であれ、自分が伝えたいことを伝えるスキルがますます重要になっているのです。
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今後AIとの協力関係が強くなると、逆に人間同士のコミュニケーションは今まで以上に希少で大切なものになってくるでしょう。したがって、今後人間が集まる場では、なんらかの学びを引き出す
ことになるでしょう。関連するタグ
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