年末まで残り2か月となりました。この時期になると気になることのひとつが確定申告ではないでしょうか。近年、会社員のふるさと納税や副業が増加し、確定申告の機会も多くなっています。一方、確定申告をペーパーレスで行う方は依然として少数です。国もデジタル化を推奨していますが、情報が分散しており、わかりやすくまとめたサイトも少ないのが現状です。そこで、年末が差し迫ったこの時期に、を紹介します。
確定申告をペーパーレス化するメリット
確定申告をペーパーレス化するとどんなメリットがあるのでしょうか。
ひとつは、効率がアップすることです。電子申告(確定申告書をインターネットを通じて提出できるシステム)ができれば、わざわざ税務署へ行く必要はありません。特に、税務署は確定申告のときは多くの人で混み合いますし、病気の感染リスクが高まります。安全性の意味からも、電子申告は有効でしょう。また、手書きをする場合どうしても転記や計算ミス、記入漏れが発生する可能性が高まりますが、システムで行えばアラートやエラーが出るためミスを極力防ぐことができます。特に初めて確定申告を行う方など、不慣れな方には電子申告がオススメです。
もうひとつのメリットが、紙の紛失の防止です。紙の申告書を提出する場合、添付資料も紙で提出しなければなりません。何らかの原因で紛失してしまう可能性もあるでしょう。一方電子申告であれば、添付資料もデータで済みます。紙の資料がきたら写真を撮るなどしてデータ化しておき、保存しておけば紛失の可能性はまずありません。
最後に、見逃せないのが電子申告をすることで税金を減らせる可能性がある点です。青色申告をしている事業者の方に限られるのですが、電子申告をすることで青色申告特別控除(複式簿記で記帳しているなど、一定の条件を満たす方が受けられる所得控除)が通常の55万円から65万円にアップできます。でしょう。
準備するもの
確定申告を電子申告するためには、以下の準備が必要です。
マイナンバーカード
電子申告を行う際に、「身分証明書」の代わりになるものがマイナンバーカードです。カードの中には「電子証明書」(インターネット上で身元確認やデータの安全なやり取りを保証するためのデジタル化された身分証明書のこと)が組み込まれており、電子署名を行うことによって本人確認ができます。まだ取得されていない方は、お住いの市区町村にて手続きをして取得しましょう。
ICカードリーダライタ
電子申告を行うには、マイナンバーカードを読み取るためのICカードリーダライタと言われる機械が必要です。家電量販店に数千円程度で売られています。なお、読み取り機能がついているスマートフォンでも対応が可能です。
利用者識別番号
電子申告を行うときは、e-Taxというシステムを使う必要があります。利用者識別番号とは、e-Taxにログインするための番号です。e-Taxにログインすることにより、基本情報や、これまで送信した書類の確認ができます。e-Taxのホームページからすぐに取得できますので、早めに取得しましょう。
マイナポータルとの連携(必要に応じて)
マイナポータル(政府が提供するオンラインサービスで、個人の情報や行政手続きを一元管理するためのポータルサイト)と連携すれば医療費や保険料などのデータを効率的に連携することができます。ただし、事前の設定が必要です。また、連携に対応していない保険会社などもあるため、事前に確認しておきましょう。
源泉徴収票や各種証明書の準備
確定申告に必要な書類(源泉徴収票や各種証明書)の準備をしておきましょう。これらを紙で受け取った場合は、スキャンやPDF化をしてデータとしてひとつのフォルダにまとめておくことをおすすめします。こうすることで、確定申告をするときに効率的に情報を確認することができます。
安定したインターネット環境
電子申告は、安定したインターネット環境の下で行いましょう。個人情報が多く含まれるため、カフェなどで使われるパスワードがかかっていない公衆インターネットは避けるべきです。セキュリティが確保された、安定したインターネット環境で行うことをおすすめします。
確定申告書作成コーナーですべて完結!
さて、準備が整ったら、いよいよ確定申告書の作成です。準備するものの中に「電子申告をするためのシステム」がなくて不思議に思った方もいるかもしれません。実は、国が無料の素晴らしいシステムをオンライン上で提供してくれています。それが、「確定申告書作成コーナー」です。このシステムで、電子申告まで終わらせることができます。
確定申告書作成コーナーは、初心者にもとっつきやすく、非常に使いやすいシステムです。マニュアルやヘルプも充実しているため、手順通りに作れば確定申告書を作成できます。
確定申告書作成コーナーにアクセスし、「マイナンバーカードをお持ちの方」から「スマートフォンを使用してe-Tax」か「ICカードリーダライタを使用してe-Tax」を選んで、ログインします。マイナンバーカードに登録されている情報をもとに、個人情報が自動入力されます。
画面の指示に従い、収入や控除の情報を入力します。会社員の方で給与所得のみであれば源泉徴収票の情報をそのまま入力すれば収入は完了です。その他、確定申告でしかできない各種控除(医療費、ふるさと納税、住宅ローンなど)の証明書がある場合は、マイナポータル連携をするか、数字を手入力します。途中で入力内容を保存することもでき、データを一時保存し、後日続きを行うことも可能です。
申告書の入力が完了したら、内容を確認してICカードリーダライタ又はスマートフォンを使って電子署名を行い、送信をすれば電子申告は完了です。送信完了後に、受付完了のメッセージが表示されます。「受信通知」という提出した日時や受付番号などのデータが出てきますが、こちらが電子申告した証明となりますので、申告書の控えとともに大切に保存します。
税金の支払は、e-Taxの支払ページからインターネットバンキング、クレジットカード納付が可能です。e-Taxに預金口座を登録し、指定した期日に自動的に税額を口座から引き落とす「ダイレクト納付」も可能です。事前に金融機関の口座情報をe-Taxに登録する必要がありますが、一度設定しておけば、次回以降の税金も自動で支払えます。なお、銀行や税務署に置いてある納付書やATMなどでも払うことはできますが、せっかく電子申告したのだから納付も自宅から済ませてしまいましょう。
事業・副業をされている方はクラウド会計がオススメ
なお、事業や副業をされている方はクラウド会計がオススメです。クラウド会計は、銀行やクレジットカードデータを同期することができるため、収入、経費を効率的に登録して所得を計算できるからです。数字を確定したあと、確定申告までできるクラウド会計ソフトもありますので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
気持ちに余裕を持つためにも確定申告はペーパーレス化しよう
ちなみに、著者は毎年1月、e-Taxの営業開始日になるべく確定申告を終わらせるようにしています。毎年お客様の確定申告のお仕事を受けているため、まずは自分の分を一番に終わらせてしまいたい気持ちがあるんですね。このような迅速な対応ができるのも、12月までに資料を集め、すべてデータ化しているおかげです。3月ぎりぎりになって確定申告をするのは気持ち的にも落ち着かないですし、ミスも発生しやすくなります。

気持ちに余裕を持つためにも、してみませんか。
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